久々

久々の更新。もはや見ている人もいないと分かっていての更新。

 

映画の感想をちらほら。

 

まず『幻の光』(1995年/監督:是枝裕和

江角マキコ演じるゆみこは幼い頃に何処かへと行くのを引き止められなず、

そのまま行方不明になってしまった祖母の夢を大人になった今もなお見る。

映画はいなくなってしまった祖母と入れ違うかのように現れる

ゆみこの旦那・郁夫とゆみこが視線を交わす回想シーンから始まる。

子供を授かり幸せに見えた日々も、原因不明の夫の自殺により終幕となり、

数年後ゆみこはアパートの1階で呉服店を営む女性に紹介された民雄と再婚。

幼い息子の手を引き、能登へと移り住む。

静かに穏やかに、新しい夫と連れ子の少女と息子と祖父と近所の人々と、過ぎていく能登での日々。しかしそんな日々も弟の結婚式のために亡くなった夫と暮らしていた大阪に一時的に帰ることによって段々と歪み、きしみはじめる。

『私、どうしてかわからへんねん』

最期、精一杯振り絞ったゆみこの声は、ゆみこが抱え続けてきた前夫への

懐疑心と不安と多分少しの怒りと愛情で揺れていた。

もう過去になったはずだったのに、それでもまだ分からないことが怖くて、

でも過去になんて戻れないから、その理由を知ることさえままならない。

幸せだったのは自分だけだったのかーー

ゆみこの幸せは彼女一人が感じていればそれで良いものではなくて、

夫が死ぬ前の彼女はきっと夫も同じ幸せを感じていると無意識のうちに当然のことのように思っていたから、だからこそそのことが痛く彼女の心を刺したんだと思う。

 

江角マキコがとても若くて演技もみずみずしくて良かった。